・The Musalini / Uptown Bandits 2
・Nicholas Craven & Boldy James / Penalty of Leadership
・UFO Fev & M. Stacks / Crash Landing
・Kota the Friend / Lyrics to GO, Vol. 5
・Benny the Butcher / Everybody Can’t Go
・番外編:Str8 Bangaz / Phone Tap
・まとめ:2024年12月にリリースされたBoom Bap Hiphopアルバムは良盤揃い。
さて、2024年も始まったばかり。
新しい年のスタートとともに、Boom Bap Hiphopのシーンもさらなる進化を遂げ、ますます多様なアーティストたちがその才能を光らせています。
今回ご紹介する作品は、クラシックなビートはもちろん、クリエイティビティと新しさが詰まっており、ヒップホップ好きなら心を揺さぶられること間違いないでしょう。
さらに、番外編として注目の1枚もご紹介。
この記事を読むことで、【2024年1月にリリースされたオススメの新譜Boom Bap Hiphopアルバム5枚】を知ることができます。
では、それぞれ紹介していきますね。
The Musalini / Uptown Bandits 2
ニューヨークのブロンクスを中心に活動するラッパー・The Musaliniのニューアルバム。
ジャズを基調にしたクラシックなサウンドを取り入れたビートと、The Musalini特有の落ち着いたフローが調和した独創的な音楽性を展開しています。
深いリリシズムとストーリーテリングのスキルはより精度を高め、落ち着いたトーンの中に確固たる自分のスタイルを提示しているのが特徴です。
プロデューサーには9th WonderやKhrysisをはじめ、TermanologyやDJ Skizz、Sndtrakを迎え、客演にはEstee NackやUFO FevやKelなど多彩な顔ぶれのラッパーたちが参加しており、アルバムの多様性を高めています。
キャリア初期からの過程を知っているファンにはThe Musaliniらしい人選と感じるかもしれませんね。
飛ぶ鳥を落とす勢いでリリースを重ねていることもあってか、The Musalini自身の成熟した音楽的表現力が随所に見受けられ、リスナーに新鮮な発見を体験させる機会を提供してくれるでしょう。
ジャケットデザインからビジュアルも重視しており、音楽だけでなく総合的なアート作品としての質の高さを感じさせます。
Nicholas Craven & Boldy James / Penalty of Leadership
カナダはモントリオール出身のプロデューサー・Nicholas Cravenとデトロイトのラッパー・Boldy Jamesのコラボアルバム。
「Penalty of Leadership=リーダーシップの代償」というタイトルからも想像できますが、Boldy自身がヒップホップシーンのリーダーとしての責任や重圧を感じながらも、ストリートの生き様や自分の経験を率直に語り、自分の道を歩んでいく姿勢を表現しています。
プロデュースは全編Nicholas Cravenが担当。
ジャズやソウルなどのサンプルを巧みに使った温かみのあるビートに、Boldy Jamesの鋭いライムが見事にマッチしています。
ゲストには、Boldyと同じデトロイト出身のラッパーで、古くからの友人でもあるMafia Double Deeが1人だけ参加しており、アルバムの最後の曲「Early Worms Get Birds」にフィーチャリングされており、Boldyと息の合った掛け合いを聞かせてくれます。
このアルバムは、Nicholas CravenとBoldy Jamesの相性の良さと、彼らの音楽的な才能を存分に感じられる作品です。
何よりもBoldyのヒップホップに対する相当な覚悟を感じましたね。
ヒップホップファンにはぜひ聴いてほしいアルバムです。
UFO Fev & M. Stacks / Crash Landing
ニューヨークはイーストハーレムのラッパー・UFO Fevと、Wiz KhalifaのツアーDJを務めた経験もあるオハイオ州クリーブランドのDJ/プロデューサー・M. Stacksによるコラボアルバム。
Stacksが手がけるクラシックなビートに、UFO Fevの端正なラップが特徴的で、ヒップホップの黄金時代を彷彿とさせる作品に仕上がっています。
90年代のアンダーグラウンドシーンを支え、2023年に再始動した老舗ヒップホップ・レーベル・Tape Kingzからのリリースという点も注目です。
進化するBoom Bapの深みを一層感じることができるでしょう。
Kota the Friend / Lyrics to GO, Vol. 5
ブルックリン出身のラッパー・Kota the Friendの人気シリーズ「Lyrics to GO」の第5弾。
12曲からなる短編集のような構成で、ジャズやローファイなどの要素を取り入れたビートに乗せて、地理的なタイトルを用いてKotaの日常や思考、感情などを語る作品です。
アルバムには、Statik Selektahをはじめ、Hit-BoyやExile、Sangoなどの有名なプロデューサーが参加し、彼らの個性的なビートがKotaのラップを引き立てています。
Kotaの楽曲は自分の音楽を通じて、人生の価値や意味、幸せなどを問いかけているのが特徴です。
また、お金や名声よりも家族や友人、ファンなど大切な人との関係を重視しており、彼は自分の経験や感覚を正直に伝えることで、リスナーに勇気や希望を与えています。
Kotaの才能と成長を感じさせる素晴らしいアルバムと言えるでしょう。
Benny the Butcher / Everybody Can’t Go
ニューヨークはバッファロー出身のラッパー・Benny the Butcherのメジャーデビューアルバム。
満を持してDef Jam Recordingsからのリリースとなった本作は、「Everybody Can’t Go=誰でも成功できるわけではない」というタイトルどおり、彼の音楽的な成長と挑戦を表現した作品です。
Benny the Butcherは、約20年にわたって地道に音楽活動を続け、自分の才能と信念を貫き、多くの困難を乗り越えてきました。
ストリートのリアリティや自分の過去を赤裸々に語るハードコアなスタイルは、このアルバムでさらに磨きがかかっています。
アルバムのプロデューサーはHit-BoyとThe Alchemistが担当し、客演にはSnoop DoggやRick Rossなどが参加。
参加している面々を見てもBennyの気合いの入り方が違うことが見て取れるでしょう。
これぞヒップホップと言わんばかりに体現したアルバムに仕上がっています。
番外編:Str8 Bangaz / Phone Tap
ニューヨークはブロンクスを拠点に活動するプロデューサーデュオ・Str8 Bangazによるビートアルバム。
ジャケットからも想像できますが、なんと全てIPhoneで作ったビートだそうです。
アルバムのトラックリストを見る限り、特定のテーマに沿っているわけではなく、単にビートのコレクションとして構成されています。
サンプリングを主体としたサウンドは、まさに直球のBoom Bapで、D.I.T.C.辺りが好きな方には刺さるはず。
ブツ切りで荒々しさが残るところもヒップホップを感じます。
まとめ:2024年もBoom Bap Hiphopは1月から良盤が揃ってます。
2024年1月にリリースされたBoom Bap Hiphopアルバムの中から、特におすすめする5作品をご紹介しました。
今回取り上げたアルバムはどれも、古き良きBoom Bapの魂を継承しつつ、現代の音楽シーンの新鮮なエッセンスを取り入れています。
洗練されたサンプリング技術、独自のフローを持つMCたち、そして革新的なビートメイキングが融合したこれらの作品は、ヒップホップの深い魅力に触れる絶好の機会です。
本記事を参考に、最新のBoom Bap Hiphopの世界に没入してみるのはいかがでしょうか。
新たなお気に入りの1枚が見つかれば幸いです。
2024年も良質な音楽に出会えるのを期待して、楽しんでいきましょう♪
ではまた!
References
AOTY(The Musalini / Uptown Bandits 2)
Rap Rader(Nicholas Craven & Boldy James / Penalty of Leadership)
qobuz(Nicholas Craven & Boldy James / Penalty of Leadership)
Bandcamp(UFO Fev & M. Stacks / Crash Landing)
AOTY(Kota the Friend / Lyrics to GO, Vol. 5)
Hiphop Since 1987(Kota the Friend / Lyrics to GO, Vol. 5)
HiphopDX(Benny the Butcher / Everybody Can’t Go)
rapreviews(Benny the Butcher / Everybody Can’t Go)
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Apple Music(Boldy James & Nicolas Craven)
Apple Music(Ufo Fev & M.Stacks)