・Butcher Brownのプロフィール
・Butcher Brownが歩んできた道
・Butcher Brownの作品
・Butcher Brownのオススメ曲
・まとめ:Butcher Brownはジャズとヒップホップが融合した新世代型バンド
新時代の音楽シーンを牽引するバンド、Butcher Brown(ブッチャー・ブラウン)。
彼らのサウンドはジャズの深い響きとヒップホップのリズムが融合し、独自の音楽世界を築いています。
ケンブリッジの地下音楽クラブからスタートしたこのバンドは、今や世界中のフェスティバルで名を馳せるまでになりました。
では、一体どのようにして Butcher Brownはこれほどまでに独特なスタイルを確立し、多くのリスナーを魅了するに至ったのでしょうか。
この記事では、彼らの音楽的ルーツや、革新的なアプローチについて詳しく掘り下げます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね♪
Butcher Brownのプロフィール
バンド名 | Butcher Brown(ブッチャー・ブラウン) |
結成 | 2009年 |
出身 | バージニア州リッチモンド(アメリカ) |
主な作品 | アルバム
「All Purpose Music」(2014年) 「#KingButch」(2020年) 「Butcher Brown Presents Triple Trey」(2022年) |
バージニア州はリッチモンド出身のジャズファンクバンド・Butcher Brownは、2014年のデビュー以来、独自のサウンドで音楽界に新しい風を吹き込んでいます。
バンドを構成するメンバーは、以下の5人です。
キーボード:DJ Harrison(DJハリソン)
ドラマー:Corey Fonville(コーリー・フォンヴィル)
ベーシスト:Andrew Randazzo(アンドリュー・ランダッツォ)
ギタリスト: Morgan Burrs(モーガン・バーズ)
トランペッター:Marcus Tenney(マーカス・テニー)
その才能あふれる演奏は、ジャズの伝統を守りつつも、ヒップホップやファンク、ソウルといったジャンルを融合させた新しい音楽性を創造しています。
生の演奏で魅せるライブの醍醐味と、SNSでの情報発信を積極的に行うなどインターネットを通じた即時性を併せ持つ、まさに次世代型のバンドなのです。
リッチモンドの音楽シーンだけでなく、ワールドワイドに活躍する彼らの楽曲は、多彩な文化を反映していると言えるでしょう。
Butcher Brownが歩んできた道
Butcher Brownは、彼らが音楽の学び舎で出会ったことに始まります。
バージニア・コモンウェルス大学で学び、各々が個々の音楽性を磨きつつも、集まって即興演奏を行う中で、互いの音楽的な理解を深めました。
2013年にジャズ界へと華々しくデビューを飾ったButcher Brownは、2014年にアルバム『All Purpose Music』を通じて、独自のセンスと才能を示しました。
さらに同年、ジャズ界の著名人であり、グラミー賞受賞者でもあるニコラス・ペイトンのアルバム『Numbers』への参加を通して、その卓越した演奏技術で業界から注目を集めます。
その後、クリスチャン・スコットやナイジェル・ホールが在籍するLettuce(レタス)、そしてカマシ・ワシントンといった、この世代で最も魅力的なジャズミュージシャンたちと共にツアーやセッションに参加。
デビュー作から一貫して注目されているButcher Brownは、スタジオアルバムやライブアルバムを精力的にリリースしており、その中でも特筆すべきはDJハリソンの創造的なサウンドプロダクションでしょう。
このサウンドはジャズ、ヒップホップ、ファンク、ラップ、ロック、ソウルなど、多様なジャンルを巧みに融合させた革新的な作風が特徴です。
また、それぞれのジャンルが持つ歴史的な魅力に敬意を表しつつも、ジャンルの枠組みを次々と打ち壊す、予測不可能な爆発力をもつ音楽を創り出しています。
その音楽は力強くファンキーでありながら、滑らかで柔らかなメロディーを持ち、リスナーを魅了して止みません。
さらに、ジャズ界の大御所であるコンコードレーベルへの移籍は、彼らの音楽キャリアに新たな節目を迎える機会となりました。
2020年9月にリリースされたアルバム『#KingButch』は、彼らのホームタウン、リッチモンドに位置するジェローストーンスタジオで録音。
この作品には、現代的なヒップホップや70年代フュージョン、60年代のジャズ、そしてサザンロックを筆頭に多彩な音楽スタイルが組み込まれ、彼らのライブパフォーマンスがもたらす豊かな経験とその高揚感が存分に発揮されています。
そして、2022年9月16日には新たな冒険としてビッグバンドアルバム『Butcher Brown Presents Triple Trey (featuring Tennishu and R4ND4ZZO BIGB4ND)』をリリース。
この作品の中でバンドのリーダーであり、トランペッターのMarcus”Tennishu” Tennyはアルバム全体にわたってラップを務め上げ、ジャズ、ファンク、ヒップホップのそれぞれの要素を絶妙に組み合わせることで、耳新しい音楽の形を生み出しました。
こうした試みは、それまでの音楽ジャンルに捕われることなく、常に新しい境地を目指す彼らの姿勢を如実に示しており、聴く者に新鮮な音楽体験を提供してくれることでしょう。
Butcher Brownの作品
Butcher Brownは、これまでに10枚のアルバムをリリースしています。
タイトル | レーベル | 年 |
Backtracks | (自主リリース) | 2013 |
All Purpose Music | Jellowstone Records | 2014 |
Grown Folk | Thrash Flow | 2015 |
Live at Vagabond | Greatbox Records | 2017 |
The Healer | (自主リリース) | 2017 |
Camden Session | Gearbox Records | 2018 |
#KingButch | Concord Jazz | 2020 |
Encore | Concord Jazz | 2020 |
Butcher Brown Presents Triple Trey | Concord Jazz | 2022 |
Solar Music | Concord Jazz | 2023 |
Backtracks
Butcher Brownの原点ともいえる作品で、彼らの根底にある音楽へのアプローチを垣間見ることができます。
このアルバムは、バンドが初期に手掛けたプロジェクトの一つであり、早くも彼らの音楽的な個性が色濃く反映されているのが特徴です。
アルバムを聴けば、バンドメンバーの個性が際立った演奏と、共に作り上げる調和のとれたサウンドが耳に届くことでしょう。
音楽ファンはもちろん、ジャズ初心者にも聴きやすい作品として、多くの層から支持を得ています。
All Purpose Music
Butcher Brownの出世作とも言えるアルバムです。
ジャズをベースにして様々な音楽要素が組み合わさり、多才な音楽性を存分に発揮しています。
強烈な印象を残す力強いグルーヴと、繊細な演奏が見事に融合したサウンドは、リスナーを魅了して止みません。
バンドの幅広い音楽的背景が反映され、新しい音楽の楽しみ方を提供してくれるでしょう。
Grown Folk
成熟したサウンドを感じさせるアルバムです。
経験を重ねた彼らならではの落ち着いたトーンと緻密な構成が特徴的で、聴くたびに新たな発見がある深みのある内容に仕上がっています。
アルバム全体を通してジャズの伝統を重んじつつも、現代的な感覚でリズムやハーモニーをアレンジしており、どの楽曲も彼らの音楽的アイデンティティが色濃く表れている作品と言えるでしょう。
Live at Vagabond
ライブパフォーマンスの熱気とその場の一体感を存分にパッケージングしています。
ライブならではのダイナミックなサウンドや、アドリブ交じりの演奏が聴く人の心を揺さぶり、観客との活気あるやり取りが感じられる作品です。
観客が一体となった瞬間がアルバムに刻まれており、聴く者をライブ会場の雰囲気へといざないます。
The Healer
心温まるメロディと寛容なグルーヴが印象的な癒しのアルバムです。
タイトル通り、音楽が持つ癒やしのパワーを信じ、それを表現しようという彼らの姿勢が感じられる作品となっています。
優しい音色と温もりある演奏によって、日常の喧騒から少し離れた安息の場を提供してくれるでしょう。
Camden Session
ロンドンの有名なスタジオ「The Camden Studio」で一発録りされ、Butcher Brownの演奏技術の高さと即興性を際立たせたアルバムです。
録音環境の持つ生々しい響きと、緊張感溢れる演奏が融合し、バンドの生のエネルギーをダイレクトに感じることができます。
制作過程での即興の要素が強く、リアルタイムで創造される音楽の魅力が詰まっています。
#KingButch
最新の技術と古典的なサウンドを組み合わせ、現代の音楽シーンにおけるButcher Brownの地位を不動のものにしたアルバムです。
ヒップホップのビートにジャズの即興性が絡み合う中、時代を超えた魅力あふれる楽曲が揃っています。
タイトなリズムセクションと柔軟なソロパートの交流が耳を惹き、Butcher Brownの音楽的冒険を感じさせる力作と言えるでしょう。
Encore
ライブの余韻をそのままアルバムに詰め込み、バンドのエネルギーがぎゅっと凝縮された特別な1枚です。
アンコールを想起させるこの作品は、演奏の情熱と聴衆との一体感が再び体験できるように作り込まれており、バンドの持つライブの魅力を改めて確認できます。
Butcher Brownのポテンシャルを改めて証明している作品と言っても過言ではありません。
Butcher Brown Presents Triple Trey
Butcher Brownが「Triple Trey」を通じて、彼らの音楽的憧れや影響を受けたアーティストへのオマージュを捧げるアルバムです。
ゲストミュージシャンの参加も見られ、バンドと共演者が互いに刺激を与え合いながら創り上げた共作の精神が感じられます。
アルバムリリースに際してのインタビューで、リーダーのテニシューは以下のように語っています。
僕たちが聴いていたラップ・ミュージックの多くは、ジャズとラップのヘビー・ミックスだった。彼らのビートには音楽性があり、単なるループではない。そういうプレイをしたいという欲求が、ヒップホップへと昇華させたんだ。
即興は僕にとって非常に重要だよ。即興とは、僕たち人間が人生を歩むための方法だと思う。自分の置かれた状況に対する解釈が、即興の核心である状況への対応を決めるんだ。
ジャンルを超越したセッションは、既存の枠を超えたButcher Brownの表現力の広がりを見せてくれるでしょう。
Solar Music
太陽の力強さとそれを取り巻く宇宙の広がりを音楽で描いた、Butcher Brownの独創的な世界観を体現したアルバムです。
エレガントなジャズからソウルフルなビートまで、太陽系を旅するかのような多様な楽曲が並び、聴く者を宇宙の旅へと誘います。
DJハリソンは、このアルバムについて以下のように表現しました。
“誰が言ったか忘れてしまったが、太陽の下ですべてを演奏したようなものだ “
各トラックごとに異なる音のテクスチャがあり、まるで太陽を巡る惑星の多彩さを表現しているかのようです。
Butcher Brownのオススメ曲10選
Butcher Brownのオススメ曲は、以下の10曲です。
「Unbelievable」
90年代を代表する伝説的なラッパー・Notorious B.I.G.「Unbelievable」のカバーです。リーダーであり、トランペッターのMarcus Tenney(マーカス・テニー)がラップを担当していますが、声がビギーそっくりで驚きました。
「Remind Me」
こちらはPatrice Rushenのカバー。懐かしいサウンドと現代的なアレンジで、Butcher Brownの多様性を象徴する曲の1つです。クラシックな魅力を残しつつ、斬新なテイストを加える彼らの手腕が光ります。
「Down With The King」
こちらはRun DMCのカバー。重厚なドラムビートが特徴的で、パワフルさと繊細さを共に感じさせる作品です。力強いブラスセクションとの掛け合いや、彼らならではのダイナミックな展開が心地よい緊張感を生み出し、聴く者を魅了します。
「Camden Square」
心地よいメロディとリズミカルなビートが融合し、都会的でありながら温かみのある楽曲です。
ゆったりとしたテンポの中で繰り出される各楽器のソロパートは、メンバーそれぞれの個性が光る瞬間。聴く者をどこか落ち着いた空間へと誘います。
「The Healer」
静寂を打ち破るようなインパクトと共に始まるソウルフルなトラックです。
タイトル通り音楽を介して癒しを与えようという意図が感じられます。
「Sticky July」
夏の蒸し暑さとともにリズムが高まり、Butcher Brownの底知れぬグルーヴ感が詰まった楽曲です。暑い季節にぴったりなこの曲は、リズムセクションの真骨頂を体感できます。
「Chester’s Black Benzo」
洗練されたビートが心地良く、Butcher Brownのクールな一面を垣間見ることができる楽曲です。彼らの音楽のしなやかさと洗練されたスタイルが感じられます。深夜にドライブをする際のサウンドトラックとしても最適でしょう。
「For The City(feat. Fly Anakin)」
同郷リッチモンドのラッパー・Fly Anakinを迎え、都会的な雰囲気満点の1曲。ジャズの要素を取り入れつつ、ヒップホップのリリシズムと絶妙なハーモニーを見せています。
DYKWYD(feat. Braxton Cook)
サックス奏者・Braxton Cookをフィーチャーし、Butcher Brownの柔和でメロディックなサウンドに新たな風を吹き込みます。心地よいサックスの旋律が耳を慰めると同時に、ゆったりとしたリズムの中に力強さを感じるこの曲は、Butcher Brownの世界観を広げる1曲と言えるでしょう。
まとめ: Butcher Brownはジャズとヒップホップが融合した次世代型バンド
新世代の音楽シーンにおいて注目を集めるButcher Brownは、ジャズのルーツを保ちつつ、ヒップホップのリズムと調和を導入することにより独自の音楽世界を創造しています。
伝統的なジャズの緻密さと即興性がありながら、現代のヒップホップのグルーヴ感とダイナミズムが融合した新しい音楽スタイルです。
このバンドは複数の音楽ジャンルの境界を越え、アメリカを中心に世界中の音楽ファンを魅了して止みません。
Butcher Brownの音楽は単なるジャズやヒップホップを超越し、まさに新時代のサウンドトラックと呼べる存在となっているのです。
彼らの創造する音楽がこれからも多くの人々に影響を与え、これからの音楽シーンの発展に寄与していくことでしょう。
常に進化をし続ける次世代型バンド、Butcher Brownから今後も目が離せませんね!
ではまた!